書く力について
このコラムにおける「書ける」の定義:耳から入る「コーエンエイキマショー」という音を「こうえんへいきましょう」と表記できることを「書ける」と呼びます。
『「し」と「小さいよ」と「う」』と教えられて書く動作は、単なる筆圧育成です。
レベルの高い英文エッセーを書ける生徒であれば、ジャパニーズエッセーも英語に伴うレベルのものを書きます。このサイトの『書く力』は聴音聴写についての説明です。
少しでも早く文字を書かせたいのが親心・・・でも、漢字学習もさせたければ、あせりは禁物。親の自己満足は子どもの負担にすぎません。
とにかく、上の図のようにお箸を自在に動かせるようになるまでは、下記の無料アプリで字形と発音を結び付ける程度にとどめましょう。
★幼児期の一番のお勉強は遊ぶこと(体験すること)です。
砂遊びや工作などで、筆圧を育てましょう。
★お箸の持ち方(YouTube)はここをクリックしてください。
お箸の正しい持ち方を身につけたら、Bか#1の軟らかな芯の鉛筆を用意しましょう。芯が硬いと疲れるだけです。
筆圧が不十分なときに間違って覚えた『ン/ソ,シ/ツ』などの訂正は大変ですし、『右から左/下から上へ』などデザインとして書く癖は漢字学習の障害にもなります。
『アルファベットを学び始めたから…』と焦って漢字を書かせないでください。
下のトメ・ハネ・ハライをする指の力(筆圧)が育つのを待ちましょう。
例えば、↑【永】の第2画は途中で折れてまっすぐおへその方に引いてはねる一連の動作。第3画は折れ曲がって左はらい。第4画は左はらい。第5画目は右はらいと、大変な動作です。
★近年は手書きの必要性が減りましたが、できれば恥ずかしくない字を書けるようにしてあげたいものです。
耳が柔軟な幼児期は、『書く』という木の枝より、『聞く/話す』枝を伸ばすチャンスです。
一緒に絵本を読んだり『幼稚園で何をしたの?』と問いかけたりしましょう。
エレメンタリーに通い始め外(英語)の時間が長くなると、日本語が停滞する傾向があります。ジャンプの前の沈み込みの姿勢だと考えましょう。
ハイスクール以降、日本語の作文力は英語のエッセーの力に付随します。英語が下手な生徒の日本語力は“しゃべれる程度”で、おしゃべりできるから作文もできるとはいえません。
しかし、英語のレベルが高い生徒の日本語作文は指導が可能です。
日本語補習校は週に3時間程度で現地校の10分の一以下の時間ですから、第一学習言語が英語になるのは当然です。親が口やかましく「日本語!日本語!」と言って、「日本語もやってるんだから英語が平均以下でも仕方がない」などと言ってはいけません。家庭での日本語使用を口実に、生活の基盤である英語圏で委縮させるのは論外です。
★書く力を伸ばすのに効果的な学習は
➀視写,➁聴音聴写
➂漢字 の練習です。
具体的な学習はクラス担任にお尋ねください。
片仮名と平仮名の学習を終えた中学年~高学年~AP準備の各クラスでは、毎週土曜の朝、【聞き取りクイズ】というのを継続しています。
★中学年クラスでは日本の小学2年生の配当漢字160字
★高学年クラスでは日本の小学3年生の配当漢字200字
★AP準備コースでは、日本の小学4年生以上のAP Japanese Language and Culture必須410漢字約90字から毎週3字(小学部の約半分)
それぞれのクラスで、前の土曜日に出題された漢字を含む短文を教師が音読し、児童生徒がそれを聞いて書くことが【聞き取りクイズ】です。
【例】10月24日の中学年クラスでは
漢字学習帳の読(P2),雪(P3),南(P5),書(P6),絵(P7)の漢字を出題した上で
今までに習った漢字を含む下記の5短文を聞いて書けるようになることが宿題でした。
①日本語の文を読む。②ニューヨークで雪がふった。③南きょくでペンギンを見た。④日本語の文を書く。⑤絵日記をまい日かく。
「週に5ページ分の新出漢字!?!」と思われるでしょうが、これには
➀~を・・・ru(動詞の言い切りの型)
➁~がふる,ふった
➂~で…を見た。
➃読む,書く
➄~を・・・ru(動詞の言い切りの型)
など、大切な文型が含まれていて、適切な助詞を身につけるのに最適です。
漢字は忘れるもので、漢字学習はザルに水を注ぐような作業ですが、アルファベットを知らずに現地校の学習ができないのと同様に、ジャパニーズ学習にはこの宿題が不可欠です。…かといって、日本語力ではなく年齢で、漢字を80+160+200+185+181とやらせることが全ての子どもに適しているとは言えません。
こどもの家では、将来『やっててヨカッタ』といえる最低必須漢字をエレメンタリーの間に定着させることを目標にして実績をあげました。詳細は【漢字教材】のページをご覧ください。
とにかく、【聞き取りクイズ】には、問題文を言ってくれる人が不可欠ですので、家庭学習の支援の有無が子どもの日本語力の分岐点になっています。
★クラス担任からの【宿題プリント】を参考に有意義な学習をお続けください。
小学生には「オー」と伸ばすのに「う」ではなくて「お」を使うのは下記のように覚えさせましょう。
・多くの大きな狼が遠くの氷の上を通る。
残りは、「十(とお),仰せ,公,こおろぎ,頬,ほおずき,炎,憤る,覆う,催す,滞る,概ね」ですのでワードの日本語変換の習得時で間に合います。
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